私たちが給与日に受け取る給与明細。
支給額や勤怠情報の他に、給与からマイナスされる控除の項目もあり、そこには私たちの生活に関わるさまざまな情報が記載されています。
今回は、押さえておきたい給与明細の見方について、ファイナンシャルプランナー・風呂内さんに伺いました!

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給与明細の基本の見方

──まず、給与明細の基本的な見方を教えてください。
給与明細の大きな項目としては【勤怠】【支給】【控除】 の3つがあります。

【勤怠】は、勤務日数や勤務時間のほか、有給、早退、残業などの記録です。

【支給】は、どれほどのお金が支払われたのか、という記録です。ここに「資格手当」の欄がないか確認してみてください。仕事に役立つ資格を取得している社員に対して手当が出る場合があるので、ぜひ活用していただきたいです。

【控除】は、給与から差し引かれているお金を記載しています。この部分が特に家計に関わってくるので、控除の計算方法や、どのように役立つのかなど、ご説明しますね。

押さえておきたい!【控除】の種類、算出方法

──実は毎月の振込金額しかほぼ見ていませんでした……。【控除】について詳しく教えてください。
【控除】には大きく分けて[税金]と[社会保険料]とがあります。
[税金]には「所得税」と「住民税」があり、それぞれ算出方法が異なります。

「所得税」は、毎月、給与額に応じて決まります。ざっくり概算で徴収していて、年末に総ざらいして計算し、多く納めた場合はその分が戻ってきます。いわゆる年末調整ですね。12月に手取りが多いと感じる人がいるのはこのためです。

「住民税」は、前年の所得をもとに課税額が正確に計算されます。
毎年6月に新しい税額に変わるので、家計管理においても意識しておくと良いでしょう。特に、住民税が引かれ始める社会人2年目の方や、定年退職後に無収入や収入が激減した状態で納税義務が発生する方は気にかけたいですね。

──6月は住民税の項目を、12月は所得税の年末調整の項目を見ておくといいですね。
そうですね。また、ふるさと納税を利用した方は、翌年の6月からの住民税が安くなります。住民税決定通知書を受け取ったら「税額控除額」欄などをチェックしてみてください。

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※LINE家計簿でも、銀行口座との連携を忘れずに。
給与振込時に通知を受け取ることもできます。給与明細も家計簿もチェックしましょう!

──[税金]について理解しました。[社会保険料]についてはいかがでしょうか?
[社会保険料]には主に「厚生年金」「雇用保険」「健康保険」があります。
それぞれ4~6月の平均給与額に応じて算出され、8月に反映されます。社会保険料をできるだけ下げるために、4~6月は残業しない方がいいという考え方もあります。

「厚生年金」は支払う保険料が払うと将来もらう年金額も増えます。65歳以降に支給される老齢年金だけでなく、障害を負ったときに保障を受けられる障害年金、亡くなったときに遺族が受け取る遺族年金などの機能もあります。

「雇用保険」は、失業や退職して求職している間に、給与が得られなくなることによる経済的負担を軽くしてくれます。その他、資格取得を目指す方への教育訓練給付制度も雇用保険の機能のひとつです。

「健康保険」は、医療機関にかかる際に自己負担が現役世代であれば3割になる仕組みです。また、会社によってはその健康保険組合専用の安いツアーや宿泊施設を提供していたり、旅行の際の補助金を出したりしてくれますよ。

医療保険いらず?身近なセーフティネットを活用しよう

健康保険の中に、「高額療養費制度」という1つの医療施設でひと月にかかる自己負担額に上限が設けられている制度があることも知っておいていただきたいです。

例えば大きな手術をする際に、医療費が100万円かかったとします。基本的には健康保険で3割負担になりますが、それでも30万円なのでかなりの出費ですよね。そこでこの制度を利用すると、例えば目安の年収が400万円くらいの人だと、実際の負担は9万円弱くらいになります。
自己負担額は、収入に応じて上限が定められているので、ぜひ調べてみてください。年収300万円くらいの人だと、ひと月57,600円と決まった金額になっていて、以前とは少し基準が細分化されています。


──とても大きな差ですね!高額療養費制度を知らないと、つい医療保険に入りたくなりそうです。
また、会社員の場合は「傷病手当金制度」といって、4日以上入院した場合に健康保険からお給料日額のおよそ3分の2の手当が出るという制度もあります。

もちろん、民間の医療保険のメリットもあります。例えば、不測の事態でもなるべく貯蓄を崩したくない方や、そもそも現時点でまったく貯蓄がない方でしょうか。また、フリーランスの場合、働けない間は無収入になりますので、その補填のために入っておこうというケースはあるかもしれませんね。
ただ、一般的には会社員の場合、医療保険に加入する必要性は高くないことが多いですね。

──なるほど。医療保険のおすすめはありますか?
ちょっと変化球ですが、個人的に選択の余地があるなと思っているのは、60歳などまでに払い済みをさせ保障は生涯続くタイプの加入スタイルです。「現時点では毎月の保険料を払えるけれど、将来の自分の経済力に自信がない」という方におすすめです。

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※LINE家計簿で家計バランスをチェックして、保険を見直し!
理想は、固定費は手取り額の50%以下に。その内訳として住居費が30%、残りの20%が光熱費・通信費・保険料等です。

──家計管理を考える上でも、控除の詳細、それによって受けられる恩恵について、把握しておいた方が良さそうですね。
そうですね、すでに設けられているはずの保障や、すでに得られているはずのセーフティネットを知らずに、民間のサービスを一生懸命探して準備するのももったいないことです。すでにあるものを知り、その上で足りない分を民間のもので上乗せする、という考え方で組み立てると良いと思います。

──ありがとうございました!


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Profile

風呂内亜矢(ふろうち あや)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、宅地建物取引士。
26歳の時、貯蓄80万円しか持たず自宅マンションを衝動買いしたことをきっかけにお金の勉強を始める。現在は夫婦で4戸のマンションを保有しテレビ、雑誌などでマネー情報を発信している。努力で実現する家計改善ではなく、仕組みやシステムで家計を良くする「ほったらかし」を得意とする。著書は「ほったらかしでもなぜか貯まる!(主婦の友社)」など多数。
公式サイト:http://www.furouchi.com/

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