ファイナンシャルプランナー・風呂内亜矢さんにインタビュー!

今回は、話題の老後の資金不足問題について伺いました。私たちが今できる「ライフプランニングシート」の作成とはどんなものか? ぜひ参考にしてみてください。
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ライフプランニングシートを作ってみよう

──「老後に2,000万円が不足する」という金融庁の報告により、波紋が広がっていますね。
悩ましい問題ですね。ただ、そういった試算はあるものの、必ずしも皆さんがその問題に当てはまるわけではありません。
金融広報中央委員会が出している年代別の貯蓄データ「家計の金融行動に関する世論調査」を見ても、貯蓄額の多い方と少ない方ではその額にかなりの開きがありますから、それぞれに合った資産運用、家計管理をしていく必要があります。
以前のインタビューでもお伝えしましたが「様々なアップダウンを含めて、人生全体で赤字に転落する瞬間がなければひとまず大丈夫」という考え方を持つことが重要です。

──なるほど。その考えが支柱にありつつ、具体的にはどのように将来を見通せばよいのでしょうか?
何度かお話している「ライフプランニング」という、長期スパンでの家計管理を意識しましょう。具体的な方法としては「ライフプランニングシート」を作ること。今回はExcelなどで簡単に作れるライフプランニングシートについてご説明しますね。

──自分でもシートを作成できるのですね。
はい。まずは自分がリタイアしたい年齢をいったん決めて、例えば60歳時点での収入を洗い出してみましょう。
勤めている会社に退職金制度があれば、現行制度だといくらもらえる予定なのか。何かしらの個人年金保険に入っている人は、その保険が60歳で満期になるといくらか。貯蓄をしている方は、60歳の時点でいくらになるか。大雑把でもいいので、書き出してみましょう。

そして公的年金ですが、ねんきんネットの中の「かんたん試算」機能を使うのがおすすめです。今の生活を60歳まで続けた場合の受給額だけでなく、将来会社員から自営業に転身する場合などのシミュレーションもできます。
自分が人生の岐路に立ったときに年金にどう影響するのかを確認してください。

──だいぶ整理されますね。支出の試算方法はいかがでしょうか?
支出は、まずは住宅ローンがいくら残っているかです。
例えば現役時代に完済予定の場合と、退職金で完済しようと考えている場合では、その後のライフプランニングが変わってきます。金融機関のローンシミュレーションで試算したり、実際に借り入れしている金融機関に返済予定表を出してもらって確認するといいでしょう。

次は生活費です。
一般的には、現役時代に使っている生活費の7割くらいをセカンドライフで使うと言われています。欲をいうと、銀行通帳とカード明細の記録を見れば生活費の平均は見えてきますから、子どもの学費や住宅ローンなどを差し引きしつつ、年間いくらかかるのかを算出するとよいでしょう。

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日頃から家計簿をつけていれば、収支の内訳や金額をすぐに把握できるので、
ライフプランニングシート作成にも役立ちます!


ライフプランニングシートから、自分に合うバランスが見えてくる!

──収支のプラスマイナスを具体的に見ていくことで、将来の見通しに取りかかれるのですね。
そうです。例え話をしますと、60歳で定年退職する予定の方で、自分の個人年金保険は600万円で、貯蓄が1,000万円あって、退職金が1,500万円ある人が、公的年金を65歳から夫婦で月額20万円、年間240万円もらえるとします。そして、住宅ローンが800万円残っていて、毎月は生活費を30万円使うとします。それで差し引きしていくと、意外と69歳くらいで資金がショートするんですね。

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──ええっ。けっこう恵まれているモデルだと思うのですが、それでも足りなくなってしまうんですね。
はい、そこで考えるわけです。60歳の定年退職から、再雇用契約などで年収200万で5年働くとしたらどうでしょう。さらに、毎月生活費で30万円使っているところを5万円抑えて、年間300万円にしてはいかがでしょう、と。この2点の変更だけで、94歳くらいまで資金が持つようになります。
つまり、そのバランスを探す作業がすごく大事なのです。自分だったら65歳までは働けるかなとか、生活費をもっと落とせるかなとか。たくさんパターンを引いてみて、自分だったらこういう生活ができそう、これだったらいいと思えるバランスを探しましょう。

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──自分の場合に当てはめて試算していくのがポイントですね。
収入は個人年金、貯蓄、退職金、公的年金など。支出は住宅ローンの残高、生活費など。それを試算して、ざっくりとした差し引きで計算してみる。それだけでずいぶん先の見通しがつきます。
また、その作業を自分ですることもおすすめしたいです。子どもが生まれたり、キャリアアップしたときなど、自分の人生に変化が起こったタイミングでシートを更新する。その時々に自分自身で納得していくこと。普段から家計簿をつけている人ならその延長でトライしやすいと思います。
漠然と2,000万円の不足を恐れるのではなく、まずはライフプランニングシートで見通せば、将来への不安も和らぐのではないでしょうか。

──ありがとうございました!


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Profile

風呂内亜矢(ふろうち あや)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、宅地建物取引士。
26歳の時、貯蓄80万円しか持たず自宅マンションを衝動買いしたことをきっかけにお金の勉強を始める。現在は夫婦で4戸のマンションを保有しテレビ、雑誌などでマネー情報を発信している。努力で実現する家計改善ではなく、仕組みやシステムで家計を良くする「ほったらかし」を得意とする。著書は「ほったらかしでもなぜか貯まる!(主婦の友社)」など多数。
公式サイト:http://www.furouchi.com/

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